東京大学 空間情報科学研究センターで特任助教をしています。
これまで風景計画 / 緑地計画 / ランドスケープの研究をしてきました。
研究テーマ
『人と自然はきっともっと仲良くなれるはず!』造園/ランドスケープ学の立場からその実現を目指しています。
人と自然が共生してきた方法を学び、今の社会にぴったり合う方法でより良い関係を築くことはできない。人と自然が共に幸せである社会を実現したいと日々考えています。
学生時代は、特に河川を対象に、人と河川の関係を研究してきました。
近年ニュースになることも多いように、人の生活が川や水に脅かされる頻度
が依然とは比べ物にならないほど増えています。
しかし、四大文明が河川の氾濫原から生まれたように、人間が生活を営む上で河川は必要不可欠。これまでも人は河川を利用し、共生してきました。現代社会でも、きっと川と共生できる方法があるはずです。
近年は、河川のほかにも都市の樹木や森林などを対象に、これらの二次的自然がどのように人と関わってきたのか、そして現在・将来は、どのように関わっていくべきなのかを明らかにしたいと思って研究を進めています。
フィールドに出て五感を使って自然と人の営みを理解することに加え、GIS(Geographic Information System/地理情報システム)などを用いた空間分析手法を組み合わせた研究手法をとっています。
所属学会
日本造園学会(2014-) / 日本地球惑星連合(2017-) / 日本地理学会(2018-)
土木学会(2018-) / 人文地理学会(2020-) / 環境社会学会(2020-)
研究の背景
幼少期から生き物が大好きで、動物や昆虫や草花が幸せに生きるためには、なにが必要なのだろう?と幼心ながらに考えてきました。
自然環境を守ろうと謳われる時代に、宅地開発でなくなっていく森や農地、護岸工事が進む河川を見て、
そこに住む生き物たちはどこへ?と考えたことが研究の道に進んだ根源だと考えています。
学部時代、様々な地域を訪れるなかで、人と自然が無理のない形で、意識せずともお互いに助け合いながら
生きていく姿をたくさんの地域で見て学びました。それらの地域では、人が自然を壊さなくてもよかった時代から続く生活様式が維持され、地域の歴史や伝統産業、文化など、人をとりまく多様な要素との共生方法が、地域オリジナルの方法で成り立っていました。会社員になり、日本各地の地域活性化の仕事に携わったとき、この感覚を再度実感。時代が変わっても人間個人や社会をとりまくすべての環境と共生できる世の中をつくっていきたいと考えるようになりました。
研究や地域づくりの実践において、ある地域における人と周囲の環境の関係、すなわちその地域の「地域性」をとらえることが非常に重要だと考えています。そのため、対象とする地域でこの時代にどんな空間の使い方をするのかを考えることが、人と自然が共に幸せでいられる社会を創るための、人間側の役割であると考えています。